給水管・配水管の更新

給水管の更新について

現在、一般的に使用されているビニルライニング鋼管の給水管は、30年以上使用していると、経年劣化により赤錆が発生し、赤水が出てしまうことがあります。これを防ぐためも、定期的な排水管の更新をおすすめいたします。

更新は、排水管を新しいものに取り換えることですが、使用期間が20年未満であれば、“更生”することにより、さらに20年使用することができます。使用期間が20年を過ぎている場合は、“更生”ではなく“更新”をおすすめいたします。

「給水管の種類」

マンションの給水管は、1970年過ぎ頃までは水道用亜鉛メッキ鋼管が使用されていました。しかし赤水問題が出てきたため、それに代わり、水道用ビニルライニング鋼管が使用されるようになりました。

・ビニルライニング鋼管

衝撃に強い鋼管の内部に、耐食性、耐薬品性に優れた塩化ビニルをライニングしたもの。標準施行法が確立されているので、現場工事が容易。

・耐衝撃性塩化ビニル管

耐食性、耐薬品性に優れた塩化ビニルを使用したもの。柔らかく、耐衝撃性もあり、錆も発生しないため給水管として良く使用されています。

・ステンレス鋼管

耐久性に優れ、錆も出にくいが、上の2つに比べると少しコストが高め。施行法が確立されていないため、きちんと施行実績のある業者に依頼する必要がある。

給水管劣化の実例と対策

過去にあった実例を挙げ、給水管の劣化状態やその対策をご紹介いたします。

「経過20年のメーターBOX内のサンプリング管」


メーターBOX内、メーター後ろにあったサンプリング管内部

サンプリング管内部を拡大して撮影

サンプリング管内部を酸洗いして撮影

酸洗いの前と後を比較して撮影
《所見》
直管部に劣化は見られないが、継手が腐食し、赤水が発生してしまう状態となっている。
《対策》
管を洗浄して新たにライニングをかける更生を施しても、ねじ部の切断損傷がまたいつ起こるか分からない状態なので、このような状態になってしまった場合には、更新をおすすめいたします。

「経過約35年の都内某事務所兼研究所のサンプリング管」

※竣工年月日が不明なため、経過約35年と想定しています。


珍しい白ガス管の給水管

白ガス管内部を拡大して撮影

高架水槽へ水を上げる揚水管

最上階の給水管
《所見》
給水管は腐食がひどく、錆こぶができてしまっている状態。揚水管は継手がほとんどない為給水管よりは綺麗だが、腐食が目立つ。最上階の給水管は補修の後もみられるが、ねじ部から漏水してしまっている。
《対策》
ビニルライニング鋼管へ更新。

排水管の更新について

排水管の更新は、大規模になり費用もかさみます。排水が流れにくくなったり、イヤな臭いが発生した時、漏水が見られた場合には、業者に調査、診断を依頼し、配管の劣化状況を見極めてもらう必要があります。

調査は、マイクロスコープを使ったものや、超音波肉厚測定、抜管調査などがありますが、それぞれの併用をお勧めします。マイクロスコープだけでは、腐食状態が判断できない場合があるためです。

更新は大規模な工事が必要となるため、定期的な調査により劣化を早期発見して、そのままの状態で排水管をよみがえらせることのできる再ライニング工法をお勧めいたします。

 

給排水管の更生か更新かの判断は、なかなか難しく、また業者によって価格のバラつき、工法も様々あります。お悩みの際、当事務所にご相談いただければ、その時の状態に最適の選択肢をご提案し、問題解決へのお手伝いを致します。